『田中宏とまちを創る会』

平成27年3月 田中 宏 一般質問

1.鶴岡冬まつりについて
 (1) 鶴岡音楽祭について
 (2) 鶴岡市合唱祭について
2.子ども達をネット依存や LINEの悪影響などから守る取り組みについて
 (1) 行政の果たすべき役割について
 (2) 家庭、保護者への啓発について


1.鶴岡冬まつりについて

◆7番(田中宏議員) それでは、通告に従いまして、大きく2点質問してまいります。

 まず、鶴岡冬まつりについてでございます。

 鶴岡冬まつりは日本海寒鱈まつりですとか、大山新酒・酒蔵まつりなど、多くの事業が行われまして、冬期間のにぎわい創出に大変大きく貢献しているというふうに認識しております。

 そこで市民の文化振興、そして対外的なイメージアップ、さらには鶴岡市としての情報発信、そういった観点から2つの事業について質問申し上げます。

 1つ目は、鶴岡音楽祭についてでございます。

 鶴岡音楽祭は30回になったそうでございます。これは私もうっかりしておりまして、30回だったらもっと盛り上がったらよかったなあと思ったんですけれども、いつもながらの感じで粛々と行われたというふうに認識しておりますが、過去30回、長い歴史がございますけれども、この鶴岡音楽祭の歴史についてどのように総括されておりますでしょうか。

 そして、「雪の降るまちを」鶴岡冬まつりというふうにどのホームページを見ても書いてありますけれども、やっぱり「雪の降るまちを」というイメージから行われているものでもあろうかと思います。その点から言うと、この鶴岡音楽祭ももっともっと外に発信していくことが必要ではないかというふうに考えます。

 例えば旭川市は、鶴岡と同じく「雪の降るまちを」の音楽祭を行っていることで有名でございますけれども、この旭川では、第14回となるソロで歌う独唱のコンクールが14回になったそうでございます。これはプロの声楽家、あるいはそれに準ずる方々が挑むコンクールになっていて、全国から出場者が出ているそうでございます。

 このあたり、例えば鶴岡でも旭川の独唱コンクールに対して、鶴岡はやっぱり合唱が盛んですので、合唱コンクールを行って対外的に発信してみるとか。

 そこで参考にしてみたいのは、新潟県の新発田市ですね。

 この新潟県の新発田市では、「花嫁人形」という有名な童謡の合唱コンクールが行われております。こちらはその蕗谷虹児さんという方が御出身だということで、花嫁人形のコンクールを行っているわけですけれども、第17回になったそうですね。その第17回で、内訳を見ますと、これまでの入賞を見ましても、全国から毎年広く出場団体が集まっていて、入賞する新潟県内の団体は少な目ですということで、非常に対外的な発信力があるコンクールだと認識しております。

 そこで、鶴岡市でも鶴岡音楽祭が30回を超えまして、また新たな心機一転でリニューアルというようなこともあろうかと思いますし、新しい文化会館に備えてコンテンツを充実させていくことは全く必要だろうと考えますので、この「雪の降るまちを」を生かしたさらなる情報発信ということについて認識をお伺いします。

◎商工観光部長(佐藤茂) それでは、お尋ねのあった点について、御質問の順番と異なることになろうかとも思いますが、順次御答弁申し上げます。

 まず、音楽祭及び合唱祭に対する支援というお話でしたが、両事業を包含する鶴岡冬まつりから御説明を申し上げます。

 鶴岡冬まつりは、冬季観光の活性化と地域文化の創造を図ることを目的に、昭和61年から開催をし、今回で30回目を数え、音楽と食と光の3つをキーワードに音楽祭、合唱祭からスタートし、その後に日本海寒鱈まつり、金峯山雪灯篭祭、大山新酒・酒蔵まつり、鶴岡公園周辺でのライトアップなどの取り組みを加えながら現在の形になっており、広く市民や観光客に親しまれる冬を代表するイベントに成長を遂げてまいりました。

 音楽祭と合唱祭の支援というような質問がありましたが、本市では、鶴岡冬まつり実行委員会に対しまして総括的に支援する形をとっておりまして、合唱祭を初め各イベントに対しては、実行委員会から各イベントの実施主体に対し事業費をさらに支出をし、各実施主体では、参加料などの自主財源なども合わせまして事業を実施しております。

 平成26年度、今年度市から冬まつり実行委員会に対する補助金の額は総額で744万7,000円で、実行委員会からは、さらに音楽祭に対しまして約457万、合唱祭に対し56万の事業費をそれぞれ支出しております。

 両イベントの事業費は、収支計画書の段階でそれぞれ577万、72万となっておりまして、予算額全体の約8割が実行委員会からの事業費ということになっており、過去5年間の状況を見ましても、会場の変更などにより若干予算規模に変更がありますが、おおむね同様の傾向にあります。

 次に、音楽祭の総括というようなお話でしたが、御案内のとおり、本市が名曲「雪の降るまちを」の発想の地であるということから、冬まつりと同じ昭和61年に始まったもので、初期のころは童謡や演歌、それからロックなど、さまざまな音楽を取り上げましたが、第10回目から市民の手づくりによる音楽祭に切りかえ、従来、大手の広告代理店や音楽事務所に支出をしていた経費を単独にオーケストラや音楽家の招聘経費に振りかえるなどして、地域の方も参加をしながら鶴岡で良質な音楽を聞くことができる現在の音楽祭の形となり、定着をしたものであります。

 また、中田喜直先生には、第1回から特別ゲストとして御協力をいただき、御逝去された後は、その御遺志を御夫人の中田幸子氏が引き継いでくださっており、全国に対し、本市が「雪の降るまちを」発想のまちとして浸透・定着できたものと感謝をいたしております。

 このほかにも30回を開催する中で、多くの音楽家などに御来鶴をいただいたところですが、短い時間ながらも冬の鶴岡の町並み、食を御堪能いただいて、その後、本市を広く御紹介していただいたといったようなことは、枚挙にいとまのないところであります。

 一方、「雪の降るまちを」の曲とともに音楽祭がプラスのイメージとして定着をすることによって、市民にとっては自信と誇りにつながり、従来、後ろ向きと捉えがちな冬、雪を前向きなもの捉えられるよう、ある意味では背中を押してもらっていたのではないかというような思いもあります。こうしたことから、音楽祭が30回を重ねる中で、本市内外でさまざまな形で確実に効果があらわれ、定着をしてきているものというふうに認識をいたしております。

 続きまして、音楽祭をさらに外部からの誘客に結びつけるよう御提言がありました。

 まず情報発信についてでありますが、実行委員会が特に働きかけをしなくても全国的なメディアを含めてイベントを実施する際には、これまでも再三取材を受けたことがありましたし、実施内容が評価をされ、文化庁から補助金をいただいていた時期もあったところであります。

 なお、現在では、本市を中心としたポスターの掲出やチラシの配布、県内テレビ局でのCM放送など、主に地域内に向けたPRを中心に行っております。

 今直ちに大々的な発信が可能か、必要かの判断は別といたしましても、ホームページの開設やふるさと会関係者など、本市ゆかりの方々を通じての御案内、PRは可能かというふうに思われます。

 また、日本海寒鱈まつりや大山新酒・酒蔵まつりなど、食に関するイベントへの関心、外部からの参加者は御承知のとおり年々ふえてきている状況でありますので、冬まつり全体として、例えば食文化とさらに融合させたような形でも可能かと思われますが、より効果的なPR方法について検討していきたいというふうに考えております。

 それからイベントの見直しについて、「雪の降るまちを」を題材とした旭川市、新発田市の例の御紹介がありましたけれども、合唱コンクールの開催などの御提案でございましたが、他に観光誘客につながる新たな取り組みを行うには、さきに申し上げましたとおり、音楽祭は既に定着をしておりますので、仮に行うとしても、現在の音楽祭を組みかえる、あるいはこれにつけ足すような形よりは、別の新たなイベントとして実施すべきだろうというふうに考えております。

 なお、その際には、他の冬まつりイベントへの支援と同様の考え方になりますが、イベントの担い手がどこになるのか、あるいは継続性が担保できるのか、また予算の配分を含めた既存事業との調整や実施の意義、期待される効果など十分勘案をしながら判断をしていくということになるものと考えております。

 続いて、鶴岡市合唱祭についてです。

 言うまでもなく鶴岡は合唱が盛んな土地柄でありまして、裾野がとても広く、レベルも高いと思っております。それで今回の議会でも盛んに言われておりますのは、合併10年ということでございます。全市的な一体感の醸成は全くこの10年間で、もし足りないところがあれば、さらに拍車をかけていかねばならないところだと思いますけれども、そのために市民歌も新しくつくろうというような話が出ていると思います。

 そういった観点でいいますと、鶴岡市合唱祭という名前からすると、広く鶴岡中の合唱団体が出ていそうなものなんですけれども、今年度の開催を見ますと6団体、しかも旧鶴岡地域を拠点に活動している合唱団のみ6団体で構成されていて、あとの時間は有名な独唱の歌手をお呼びしているというような現状でございます。

 鶴岡冬まつりの事業の予算を入れて実施されている事業にしては、いささか広がりに欠けるという実感ですけれども、このあたりはどのような認識でおられるか。それは先ほどの鶴岡音楽祭もそうですけれども、鶴岡音楽祭、あるいは鶴岡市合唱祭はどのような鶴岡冬まつりの予算の中で補助金などが出されているのかというあたりも伺いたいと思います。

 それから、本市の芸術文化振興という観点からいいましても、先日行われた管理運営ワークショップにおきましても、例えば地区対抗の合唱大会とか、あるいは全地域から参加する合唱イベントなどの鶴岡の合唱が盛んな土地柄を生かした文化イベントの開催というのを提案される市民の方はいらっしゃったわけですけれども、そのあたりは新文化会館に合わせた盛り上げの観点でもどのように認識されているか、伺いたいと思います。

◎教育部長(長谷川貞義) 次に、鶴岡市合唱祭についての御質問にお答えします。

 この事業につきましては、鶴岡冬まつりの一環として実施されているものでありまして、鶴岡冬まつり実行委員会から、先ほどの答弁の中でありましたが、56万円ほどの補助金を受けて企画や運営を鶴岡市合唱連盟が実施しているものであります。

 鶴岡市合唱祭は、昭和58年1月に鶴岡市合唱連盟の加盟団体の発表の場として、会員の交流やレベルアップなどを目的として始められたものであります。その後、昭和62年2月の第5回合唱祭から冬期間の観光イベント、鶴岡冬まつり事業の一つとして開催されており、国内の声楽家などをゲストに迎えて、地元合唱団の発表やゲストの公演、参加全員による合唱などの構成内容となっております。

 この合唱祭などいろいろの機会を利用した発表と合唱団体の日ごろの研さんが相まって、音楽のあふれるまちとして本市の合唱団体の活動が活発化され、東北地区や全国の合唱コンクールでの入賞などにつながっているのではないかと考えております。

 合唱祭では、これまでゲストの公演や地元合唱団との共演、異色作品である合唱組曲「はじめての町」の初演など、工夫を凝らしたステージ構成にすることで、たくさんの市民の皆さんから楽しんでいただいてまいりました。

 第31回目となることしの合唱祭は、鶴岡市中央公民館を会場に行われ、参加団体は6団体でありましたが、日ごろの練習の成果を存分に発揮されるとともに円熟味を増したゲストの歌声が響き渡り、大勢の聴衆を魅了しておりました。

 参加団体につきましては、過去には市内の中学校や高等学校の合唱部を初め、地域の児童合唱団、他市町の合唱団体も参加しておりましたが、近年は同じような時期に行われる小編成の合唱コンクールに出場する中学生・高校生や一般の方がふえてきており、合唱祭には団体としては参加しにくくなってきております。

 このことから、少しでも多くの団体から参加してもらうため、鶴岡市合唱連盟では、旧町村地域の連盟に加盟していない団体などにも参加を呼びかけていますが、残念ながら参加団体はふえていない状況にあります。

 次に、鶴岡市全域の合唱団を対象とした合唱フェスティバルのような開催についてですが、先般、1月31日に実施した文化会館管理運営ワークショップにおいて、開館記念事業のイベントの一つとして鶴岡市内全域の合唱フェスティバルという意見をいただいております。芸術文化の振興という観点から、教育委員会といたしましては、このような市内全域の合唱団が集うイベントは、交流の輪を広げ、合唱のすばらしさ、魅力の発信、レベルアップにもつながるものと思っております。

 このほかにもワークショップでは事業やイベントに関したさまざまな御意見やアイデアが出されておりまして、それらを含め、現在検討を進めております文化会館管理運営実施計画に盛り込む事業の参考にさせていただき、アドバイザー会議などで御意見をいただきたいと考えております。

 さて、合唱祭、音楽祭の話なんですけれども、これにつきましては、先ほど御紹介がありましたとおり、多くの割合を補助金に依存しているイベントなわけです。ということは、やっぱり事業効果がそれなりに保障されないと、市民としては血税を使っている事業なわけですから納得がいかないということだと思います。

 なので、先ほど御紹介がありましたとおり、長い伝統を持ち、それなりの功績もある事業ではありますけれども、そのまま残していくということだけが大事なのではないと思います。それは御出演されている方々自体も本意ではないと思います。もっといいやり方というものを模索していくことが、これから30回を超えまして、あるいは合唱祭は31回を超えまして必要なことかなあと思います。

 合唱祭については、先ほどおっしゃったとおり長い歴史がありまして、さまざまな事情から中高生や他市町村の出演がないということだそうですけれども、だとすれば時期が悪いのではないかとか、さまざまな改善ができるのではないかと思います。ぜひそのあたり、予算と事業効果の、事業効果というのは集客だけじゃないですよ。参加団体数だけでもないですけれども、結局、合唱を通じて全市的な誇りや文化振興、そして全市の地域一体化した雰囲気を醸成するというような効果があろうかとは思いますが、そのあたりについて御答弁いただければありがたいです。

◎教育部長(長谷川貞義) まず、今は鶴岡冬まつりの一環としてやっているわけですので、冬まつりの時期を変えるということは難しいと思いますが、ただ、合唱の効果といいますか、そういうものを活発化させるにはどうしたらいいかということは、まず新しい文化会館ができたら、この合唱団体、また聞くほうの皆さんもどのようにして鶴岡の合唱の文化性を上げていくかということを考えておりますので、またそこで検討してまいりたいというふうに考えております。

◆7番(田中宏議員) ありがとうございます。

 ぜひそのプレの段階から考えていくというのが大事ですので、できてからでは遅いです。

 それで冬まつりの音楽祭につきましては、先ほど組みかえは難しいということでしたけれども、何しろ450万円も補助金を出しているんですから、このあたりをちゃんと考えていかないといけないと思います。

 それにつきましては、やはり音楽祭全体で考えると、例えば「雪の降るまちを」につきましても、台湾の方々は大変雪がお好きで北海道がお好きですけれども、「雪の降るまちを」を台湾語で発信してみるですとか、あるいはベルリン映画祭で国際批評家賞を取った「ラヴィ・ド・ボエーム」なんていう名画もありますけれども、この映画とのタイアップでやってみるとか、さまざまなアイデアを出せば出せると思いますので、ぜひ今後とも冬まつりについて、新酒まつりもすばらしいし、寒鱈まつりもすばらしいです。その対外的な発信力と同等にぜひイベントに磨きをかけていくということを真剣に音楽祭、合唱祭について考えていただきたいと思いますが、まず音楽祭について、いかがでしょうか、一言だけでも。

◎商工観光部長(佐藤茂) これも先ほど教育部長が御答弁申し上げましたように、今現在、文化会館が建築中でありますので、中央公民館のほうに間借りという形ではないんですが、少し場所がコンパクトなところで、ここ三年、四年くらい続けなければならないという物理的な事情もございますので、これは新しい文化会館ができた際に、どういうふうな形になろうか、予算の内容なども含めて見直しすることはやぶさかではないというふうに考えております。

2.子ども達をネット依存や LINEの悪影響などから守る取り組みについて

 そして大きな2点目でございます。子供たちのネット利用についてです。

 こちらは市内の男子高校生が広島に住む女子高校生をネット経由で脅迫して逮捕されるという事件がつい先ごろありまして、大きな衝撃を受けたところでございます。

 ネット利用については、大変低年齢化が進んでおりまして、今のは高校生の事例ですけれども、小学生でもネットトラブルに巻き込まれたという話はよく聞くわけでございます。

 文部科学省の調査では、毎日1時間以上ネット利用する子供は、例えば中学校3年生で47.6%、小学校6年生で15.1%というふうに調査が出ておりまして、しかもオンラインゲームなども含めて利用時間が長いほど成績が低くなる傾向があるというふうに文部科学省が調査をしております。

 仙台市では、独自の調査で1時間以上ネット利用する子供は学力が低下するというふうに断言しているようでございます。ネットのやり過ぎというのは、文字どおり睡眠不足にもつながりますし、学力低下にも直結しております。さらには不登校や精神疾患などにもつながるというふうに全国で社会問題化しているわけでございます。鶴岡において、どのような子供たちをめぐるネット利用の現状があるか、認識をお聞かせください。

 そして子供や保護者に対する、例えば教育委員会としての教育啓発についてお伺いします。

 子供のほうが保護者よりもIT機器を操作するスキルについては上だというのが正直なところだろうと思います。そこで保護者向けの研修なども充実させていく必要があるわけですけれども、このあたりの現状、教育委員会としての取り組みはいかがでしょうか。

 そしてさらに、子供たちもLINE疲れを訴えている子供が多いわけでございます。1日数百通から1,000通にも及ぶメッセージのやりとりがあって非常に疲れていますが、ところが人間関係に直結しているわけですので、自分だけでやめるというわけにはなかなかいかないと。それで家庭で保護者が注意しても、みんながやっているからというふうに反論されてしまうという話をよく伺います。しかもLINEなど、ネットの特徴はやはり学区も超え、先ほどの広島の例もありますけれども、はるか地域も超えてしまうのがネットの特徴でございます。

 そこで、人間的に未成熟でトラブル解決能力というのをまだ育っていない子供たちを守るためには、教育委員会とかPTAなどなど一丸となりまして、ネット利用に関するルールや新しい常識を定めまして、粘り強く普及していく必要があろうかと思いますけれども、このあたりについての認識をお伺いします。

◎教育長(難波信昭) 子供たちをネット依存やLINEの悪影響などから守る取り組みについての御質問にお答えします。

 議員御指摘のように、小・中学生が容易にインターネットを利用できる環境が広がっていることに伴い、本市においても、ネット依存やSNSの児童・生徒への悪影響を懸念しております。

 まず、1点目の市内の子供たちのネット利用の現状についてですが、26年4月に実施した全国学力・学習状況調査の児童・生徒質問紙の結果によりますと、本市で1日2時間以上メールやインターネットをしている小学生は、全体の8%、中学生は31%となっており、全国平均と変わらないものの、本市においても約3割もの中学生が長時間にわたりインターネットを利用している状況にあります。

 さらに平成26年度の後期定期調査によりますと、インターネットにつながるICT機器を所有している中学生の割合は85.9%であり、前年度の同調査から、およそ6%増加しております。また、中学生のインターネットの使用状況については、動画の視聴が約70%と多く、次いでゲーム、音楽鑑賞がそれぞれ60%台後半となっております。メールやSNSもおよそ40%の生徒が使用しております。

 このような状況の中で、各小・中学校からの生徒指導に関する報告によりますと、動画の視聴やゲームにのめり込んだり、ベッドの中に通信機器を持ち込み、夜遅くまで友人とたわいのないメッセージをやりとりしたりして、議員からもございましたが、睡眠不足や学力低下に陥っている児童・生徒が少なからずいるということを把握しております。

 2点目の子供や保護者に対する教育啓発の取り組みといたしましては、昨年度までも児童・生徒や保護者を対象とした研修会を各学校ごとに実施しておりましたが、今年度は市内全小・中学校48校中41校で警察や庄内教育事務所、専門の民間会社などから講師を招いて、ネットモラルや安心・安全なインターネットの利用の仕方についての研修が実施されております。

 また、教育委員会からも14校に延べ20回指導主事を派遣し、ネット利用の一番の問題であるネットの利用時間と健康や学力についての講話を行ってきております。さらに小・中学生全員にいじめの未然防止を目的としたパンフレットを配付し、その中でネット利用に関する家庭のルールづくりを呼びかけております。

 これらの取り組みから、子供たちや保護者の中で子供を取り巻くネット環境についての問題意識は高まっているものと考えております。

 3点目の家庭、学校、地域、行政が連携して鶴岡市全体としての子供のネット利用に関するルールや常識を定め、普及していく考えについてですが、教育委員会としましては、議員同様、家庭、学校、地域、行政が連携して取り組み、ネット利用に関する意識を高めていくことは大変大切であると考えております。

 しかしながら、教育委員会としてルールや常識について定めるのではなく、生徒会やPTAの自主的な取り組みを支援し、全市的な取り組みへと機運を高めていくことが望ましいと考えております。

 現在もPTAの活動としてノーメディアデーなどの取り組みを行っている学校が幾つか出てきておりますし、羽黒中学校のように生徒の困り感をもとに、生徒会が夜9時以降はネットを利用しないという呼びかけを行っている取り組みも見られております。

 また、山形県PTA連合会では、ことし1月に山形方式ネットモラル講習会カリキュラムに基づいた取り組みを提案しております。このカリキュラムは、研修、ルールづくり、実態調査の3つで構成されており、特にルールづくりについては、各校のPTAが生徒会と連携して進めることが可能であり、自主的な取り組みとして保護者や生徒の意識を高めていけるのではないかと期待しているところでございます。

 教育委員会といたしましては、引き続き各校からの要請に応じて指導主事を派遣し、研修会を通して児童・生徒や保護者、教職員の啓発を図るとともに、ネット利用の約束づくりに関するPTAや生徒会の取り組みが推進されるよう、支援に努めてまいります。

 また、鶴岡市PTA連合会、生徒指導主事会、児童・生徒のリーダー研修会などの機会を捉えて、子供たちや保護者が今の子供たちのネット利用の状況に危機感を持ち、この問題を自分たちの問題として捉え、ネットの使い過ぎの状況から脱却する取り組みを行っていけるよう働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。

◆7番(田中宏議員) 今のネットの話なんですけれども、その学校で配付されている「ネットに潜む危険、あなたのお子さんは大丈夫」というようなチラシを教育委員会でおつくりになって配っておられますけれども、私もちょっと聞いてみたんですけど、いじめ防止のための取り組みのパンフレットと一緒に配付されたのかなと思いますが、見逃している保護者さんとか、あるいは中学生になるとプリントを出さない子供たちとかがいっぱいいるものですから、見逃している、保護者に伝わっていない可能性がありますので、ぜひ引き続き粘り強く啓発していただきたいと思います。

 それで、やっぱり今教育長がおっしゃったように、生徒会、あるいはPTAの自主的な取り組みというのが大事という、全くそうだと思います。それで上からだけ言っても聞かないのは、自分たちの子供時代を思っても全くそうで、自分たちが話し合ってこそ身になるんだと思うんですけれども、例えば大阪府の寝屋川市というところでは、中学校が10校ぐらいあるかと思うんですけれども、生徒会の執行部が集まってそれぞれの学校を超えた話し合いを行っていると。あるいは姫路市などでも高校で生徒会みずからルールづくりをしていて、例えば夜9時までしか使ってはいけないが、でも、寝る前どうしても気になるのはしようがないんで、10分間はチェックをしていいと。ところが返事は翌朝、学校でリアルに会って顔を合わせてやろうとか、本当に実践的な取り決めをしていたりします。

 それで、鶴岡では中学校のリーダー研修会ですとか、あるいは小・中学校のリーダー交流会などがありますけれども、このあたりの機会に学校を超えた地域のリーダーですから、リーダーとなる子供たちを研修するというようなことが可能かと思うんですけれども、このあたりはいかがでしょうか。

◎教育長(難波信昭) 今、議員から御紹介がありました生徒会のリーダー研修会等での話し合いということですが、実際、今年度も田川の中学校のリーダー研修会の中において、ネット利用だとかICT機器の利用についての話し合いが実際にその場でなされていて、多分羽黒中学校の実践にもつながっているんではないかというふうに捉えておるところでございます。

◆7番(田中宏議員) ありがとうございます。

 今、中学校での実践の話がありましたけれども、最近は本当に小学校からが問題だそうです。それで、中学校3年生になるともう言うことを聞かなくなるけど、中学校1年生のうちだったら言うことを聞くということがあるらしいので、やっぱりここは小学校時点での小・中学校リーダー交流会などの場も有効に活用していただければと思います。

 大切なのは取り組みの成果自体よりも、その過程で子供たちが感じることだと。その感じたこと、意識の共有というのが大事だというふうに有識者も指摘しております。ぜひノーメディア、先ほどもお言葉が出ましたけれども、あるいはノースクリーンと言ったりもしますけれども、家庭や学校、地域ぐるみで子供たちを何とか守り、そして導いていきたいというふうに再確認したいところでございます。

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